スペイン語学習者を悩ませる現象の一つに「間接目的語の重複」があります。”Le di el libro a María.”のように、代名詞leと名詞a Maríaが同じ文の中に両方現れる構造で、DELE C2の読解・リスニングでも頻出です。今回はこのルールを整理します。
間接目的語の重複とは
スペイン語では、間接目的語を表す名詞句(a + 人)がある場合でも、動詞の前に対応する代名詞(le/les)を重ねて置くのが一般的です。
- Le di el libro a María.(マリアに本をあげた)※ le と a María が両方存在
- Les expliqué la situación a mis padres.(両親に状況を説明した)
英語や日本語の感覚では冗長に感じられますが、スペイン語ではこの重複がむしろ自然で標準的な言い方です。
重複が必須になるケース
間接目的語が代名詞(a él, a ella, a usted, a mí など)の場合は、le/lesの重複がほぼ必須になります。
- Le regalé flores a ella.(○ 自然)
- Regalé flores a ella.(△ 不自然、通常は使わない)
直接目的語の重複との違い
直接目的語の場合、重複が起きるのは目的語が文頭に来て強調される場合に限られ、通常の語順(動詞の後ろ)では重複しません。
- Vi a Juan ayer.(重複なし、通常の語順)
- A Juan lo vi ayer.(目的語を文頭に出す強調構文では重複する)
これに対し、間接目的語はa+名詞が文中のどの位置にあっても、基本的にle/lesが重複するという違いがあります。DELE C2の文法問題では、この直接目的語と間接目的語の重複ルールの違いがよく問われます。
gustar型動詞でも同じ現象
gustar・encantar・interesarなどの動詞でも同様の重複が見られます。
- A mí me gusta el café.(私はコーヒーが好き)※ me と a mí が両方存在
- A los niños les encantan los dulces.(子供たちはお菓子が大好き)
gustar型構文でこの重複が起きる理由も、間接目的語の重複ルールと同じ原理によるものです。
まとめ
- 間接目的語(a + 人)がある場合、対応する代名詞le/lesを重ねて置くのがスペイン語の標準的な言い方
- 間接目的語が代名詞(a él、a míなど)の場合、重複はほぼ必須
- 直接目的語の重複は文頭強調時のみだが、間接目的語は位置に関わらず基本的に重複する
- gustar型動詞の「A 人 + le/les + 動詞」もこのルールの一種
この「重複」の感覚に慣れると、gustar構文をはじめ多くの表現が驚くほどスムーズに理解できるようになります。まずはgustar型の例文から慣れていくのがおすすめです。


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