「今何時ですか?」——旅行先のスペインやメキシコで時間を聞きたいとき、あるいはネイティブスピーカーに時刻を尋ねられたとき、あなたはすぐに答えられますか?スペイン語の時間の言い方は、英語とは異なるルールがあり、最初は戸惑う方も多いです。しかし一度マスターしてしまえば、日常会話で非常に頻繁に使える表現ばかりです。
この記事では、スペイン語の時刻表現を基礎から応用まで完全網羅します。¿Qué hora es?(今何時ですか?)の答え方から、Son las・Es laの使い分け、分・秒の言い方、さらにmediodía(正午)やmedianoche(真夜中)などの特殊表現まで、豊富な例文とともに丁寧に解説します。
スペイン語で「今何時ですか?」と聞く方法
まず最も基本的な表現から始めましょう。時間を尋ねるフレーズは主に以下の2つです。
- ¿Qué hora es?(ケ オラ エス)→「今何時ですか?」(一般的な表現)
- ¿Tiene(s) hora?(ティエネ/ティエネス オラ)→「時間を教えていただけますか?」(丁寧な表現)
- ¿Me puede decir la hora?(メ プエデ デシル ラ オラ)→「時刻を教えてもらえますか?」(非常に丁寧)
旅行中にスペインのマドリードで道に迷い、地元の人に「¿Qué hora es?」と聞いたとき、相手がすぐに笑顔で答えてくれた——そんな体験をした日本人学習者は多いはず。スペイン語圏の人々は時間を聞かれることに慣れており、丁寧に教えてくれます。
時刻の答え方の基本ルール:Es la と Son las の違い
スペイン語の時刻表現で最初に覚えるべき重要なポイントが、Es laとSon lasの使い分けです。これは英語にはない概念なので、日本語話者にとって最初の難関になります。
Es la を使う場合(1時のみ)
1時(una)のときだけ、動詞serの三人称単数形「es」と女性定冠詞単数「la」を使います。
- Es la una.(エス ラ ウナ)→「1時です。」
- Es la una y cuarto.(エス ラ ウナ イ クアルト)→「1時15分です。」
- Es la una y media.(エス ラ ウナ イ メディア)→「1時30分です。」
Son las を使う場合(2時以降すべて)
2時以降はすべて、動詞serの三人称複数形「son」と女性定冠詞複数「las」を使います。「時間(horas)」が複数だからです。
- Son las dos.(ソン ラス ドス)→「2時です。」
- Son las cinco.(ソン ラス シンコ)→「5時です。」
- Son las doce.(ソン ラス ドセ)→「12時です。」
| 時刻 | スペイン語 | 発音 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| 1:00 | Es la una. | エス ラ ウナ | 1時です。 |
| 2:00 | Son las dos. | ソン ラス ドス | 2時です。 |
| 3:00 | Son las tres. | ソン ラス トレス | 3時です。 |
| 4:00 | Son las cuatro. | ソン ラス クアトロ | 4時です。 |
| 5:00 | Son las cinco. | ソン ラス シンコ | 5時です。 |
| 6:00 | Son las seis. | ソン ラス セイス | 6時です。 |
| 7:00 | Son las siete. | ソン ラス シエテ | 7時です。 |
| 8:00 | Son las ocho. | ソン ラス オチョ | 8時です。 |
| 9:00 | Son las nueve. | ソン ラス ヌエベ | 9時です。 |
| 10:00 | Son las diez. | ソン ラス ディエス | 10時です。 |
| 11:00 | Son las once. | ソン ラス オンセ | 11時です。 |
| 12:00 | Son las doce. | ソン ラス ドセ | 12時です。 |
分の言い方:y(〜分過ぎ)とmenos(〜分前)
時刻に分を加えるときは、y(イ)を使って「〇時〇分」を表します。逆に「〇分前」を言いたいときはmenos(メノス)を使います。
yを使った「〇分過ぎ」の表現
- Son las tres y cinco. → 「3時5分です。」
- Son las ocho y veinte. → 「8時20分です。」
- Es la una y diez. → 「1時10分です。」
- Son las siete y cuarenta y cinco. → 「7時45分です。」
menosを使った「〇分前」の表現
menosは「〇時まであと〇分」という考え方で、次の時刻から引く形で使います。たとえば「2時55分」は「3時5分前」=Son las tres menos cincoと言います。
- Son las cuatro menos diez. → 「4時10分前(3時50分)です。」
- Son las seis menos veinte. → 「6時20分前(5時40分)です。」
- Es la una menos cuarto. → 「1時15分前(12時45分)です。」
ただし現代のスペイン語、特にラテンアメリカではmenosよりも直接的に数字を言う傾向が強まっています。たとえば「3時50分」をSon las tres y cincuentaと言うのが一般的になっています。どちらを使っても通じますが、学習初期はyを使った表現から覚えるのがおすすめです。
特別な表現:cuarto(15分)とmedia(30分)
スペイン語では15分と30分に特別な単語を使います。これは日常会話で非常によく使われるので必ず覚えましょう。
cuarto(クアルト)=15分
cuartoは「4分の1」を意味します(1時間の4分の1=15分)。
- Son las dos y cuarto. → 「2時15分です。」
- Son las nueve y cuarto. → 「9時15分です。」
- Son las cinco menos cuarto. → 「4時45分です。(5時15分前)」
media(メディア)=30分
mediaは「半分」を意味します(1時間の半分=30分)。
- Son las tres y media. → 「3時30分です。」
- Es la una y media. → 「1時30分です。」
- Son las diez y media. → 「10時30分です。」
実際の場面を想像してみましょう。スペイン語の授業で先生が「¿A qué hora empieza la clase?(授業は何時に始まりますか?)」と聞いたとき、あなたは「Empieza a las nueve y media.(9時半に始まります。)」とすらすら答えられるはずです。
特殊な時刻表現:mediodía と medianoche
正午と真夜中には特別な単語があります。これらはEs la / Son lasではなく、そのまま使います。
mediodía(メディオディア)=正午・昼の12時
- Es mediodía.(エス メディオディア)→ 「正午です。」
- Comemos al mediodía. → 「私たちは正午に食事をします。」
- El almuerzo es a mediodía. → 「ランチは正午です。」
medianoche(メディアノチェ)=真夜中・夜の12時
- Es medianoche.(エス メディアノチェ)→ 「真夜中です。」
- La fiesta termina a medianoche. → 「パーティーは真夜中に終わります。」
- Me acuesto después de medianoche. → 「私は真夜中過ぎに寝ます。」
スペイン文化では、夕食が夜9〜10時、パーティーが深夜まで続くことも珍しくありません。medianocheという単語は、スペイン留学中に特によく耳にする表現の一つです。
午前・午後・夜の表し方
スペイン語では24時間表記よりも、時間帯を明示する表現がよく使われます。「de la mañana」「de la tarde」「de la noche」を時刻の後に付けます。
| 表現 | 時間帯 | 英語相当 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| de la mañana | 朝・午前(日の出〜正午) | in the morning / a.m. | Son las ocho de la mañana. (午前8時です) |
| de la tarde | 午後(正午〜日没) | in the afternoon / p.m. | Son las tres de la tarde. (午後3時です) |
| de la noche | 夜(日没〜真夜中) | at night / p.m. | Son las diez de la noche. (夜10時です) |
| de la madrugada | 深夜〜夜明け前 | in the early morning | Son las dos de la madrugada. (深夜2時です) |
注意が必要なのはde la tardeの範囲です。スペイン語圏では、日没まで(季節によっては夜8〜9時まで)を「tarde」と表現することがあります。これは日本語の「午後」よりもやや広い概念です。
時間を使った日常会話フレーズ
時刻を単独で言えるだけでなく、日常会話では「〇時に〜します」という表現も頻繁に使います。前置詞a(ア)を使って時刻を表します。
「〜時に」の表現(前置詞 a を使う)
- El tren sale a las nueve. → 「電車は9時に出発します。」
- La reunión es a las dos y media. → 「会議は2時30分にあります。」
- ¿A qué hora llegaste? → 「あなたは何時に到着しましたか?」
- Llegué a las seis de la tarde. → 「午後6時に到着しました。」
- Te llamo a las ocho de la mañana. → 「午前8時に電話します。」
時間の幅を表す表現
- desde las tres hasta las cinco → 「3時から5時まで」
- durante dos horas → 「2時間の間」
- hace una hora → 「1時間前に」
- dentro de media hora → 「30分後に」
- en punto → 「ちょうど〇時に(〇時きっかり)」
en puntoは非常に便利な表現です。「Son las cinco en punto.(5時ちょうどです。)」のように使います。待ち合わせ場所で「A las tres en punto, ¿vale?(3時きっかりにね、いい?)」と言われたら、遅刻は禁物です(ただしスペインでは時間にルーズなことも多いですが…)。
よく使う時間関連の語彙
時刻表現をより豊かにするために、関連する語彙も合わせて覚えましょう。
時間の単位
- el segundo(エル セグンド)→ 秒
- el minuto(エル ミヌト)→ 分
- la hora(ラ オラ)→ 時間
- el día(エル ディア)→ 日
- la semana(ラ セマナ)→ 週
- el mes(エル メス)→ 月
- el año(エル アニョ)→ 年
時間帯を表す言葉
- la mañana → 朝・午前
- el mediodía → 正午
- la tarde → 午後・夕方
- la noche → 夜
- la madrugada → 深夜・夜明け前
- el amanecer → 夜明け
- el atardecer → 日没・夕暮れ
時間の副詞
- temprano(テンプラノ)→ 早く
- tarde(タルデ)→ 遅く
- pronto(プロント)→ すぐに
- ahora(アオラ)→ 今
- ya(ジャ)→ もう・すでに
- todavía(トダビア)→ まだ
実際のシナリオで練習しよう
実際の場面を想定した会話練習は、スペイン語の時刻表現を身につける最も効果的な方法です。以下のシナリオで練習してみましょう。
シナリオ1:レストランの予約
メキシコシティのレストランに電話して予約を取るシーン:
- あなた:¿Tienen mesa para dos personas a las ocho de la noche?(夜8時に2名のテーブルはありますか?)
- スタッフ:Lo siento, a las ocho no hay mesas disponibles. ¿Qué le parece a las nueve?(申し訳ありません、8時は空きがございません。9時はいかがでしょうか?)
- あなた:Perfecto. Reservamos para las nueve en punto.(了解です。9時きっかりで予約します。)
シナリオ2:駅での道案内
マドリードのアトーチャ駅でのやりとり:
- 旅行者:Perdone, ¿a qué hora sale el próximo tren para Barcelona?(すみません、バルセロナへの次の電車は何時ですか?)
- 駅員:El próximo tren sale a las diez y cuarto.(次の電車は10時15分に出発します。)
- 旅行者:¿Y cuánto tiempo dura el viaje?(旅の時間はどのくらいかかりますか?)
- 駅員:Unas dos horas y media.(2時間半ほどです。)
シナリオ3:友人との待ち合わせ
スペイン語を学ぶ友人とのメッセージのやりとり:
- 友人:¿A qué hora quedamos mañana?(明日何時に会う?)
- あなた:¿Te va bien a las tres de la tarde en la plaza?(午後3時に広場でどう?)
- 友人:¡Perfecto! Entonces, a las tres.(完璧!じゃあ3時にね。)
- あなた:¡Hasta luego! No llegues tarde, eh.(じゃあね!遅れないでよ。)
中南米とスペインでの時間感覚の違い
スペイン語を使う際に知っておきたいのが、スペインとラテンアメリカでの時間に対する文化的な違いです。
スペインでは「¿Qué hora es?」と聞くと正確に答えてくれますが、実際の待ち合わせや約束の時間は「少し遅れて来るのが普通」という文化があります。パーティーの招待状に「a las nueve(9時に)」と書いてあっても、9時ぴったりに行くのは逆に早すぎると思われることも。
一方でメキシコやコロンビアなど中南米の国々でも、一般的に時間はやや緩く、友人との約束では15〜30分遅れが「許容範囲」とされる場合があります。ただしビジネスの場では、時間厳守が求められます。
このような文化的背景を知ることで、スペイン語の時間表現をより自然に、場面に応じて使えるようになります。
時刻表現のよくある間違いと注意点
スペイン語学習者がよくつまずくポイントをまとめました。
よくある間違い
- 1時に Son las una を使ってしまう
正しくは「Es la una.」です。1時は単数なので要注意。 - mediodíaに Son las doce を使う
「12時(正午)です」は「Es mediodía.」または「Son las doce del mediodía.」と言います。 - menosの向きを間違える
「3時50分」を「Son las tres y cincuenta」と言うのは正しいですが、「Son las cuatro menos diez」と言っても同じ意味になります。混乱しないように注意。 - 前置詞 a を忘れる
「〇時に〜します」と言うとき、前置詞 a が必要です。「a las cinco(5時に)」と必ずaをつけましょう。
覚えておくと便利なフレーズ
- Se me va el tiempo. → 「時間が経つのが早い。」
- No tengo tiempo. → 「時間がない。」
- ¿Cuánto tiempo tienes? → 「時間はどのくらいありますか?」
- Llegué justo a tiempo. → 「ちょうど間に合いました。」
- ¡Date prisa! Llegamos tarde. → 「急いで!遅刻するよ。」
デジタル時計と24時間表記
現代のスペイン語圏でも、特に交通機関や公式な場面では24時間表記が使われます。
- Son las catorce horas.(ソン ラス カトルセ オラス)→「14時(午後2時)です。」
- El vuelo sale a las veintiuna cuarenta. → 「フライトは21時40分に出発します。」
- La farmacia abre a las ocho y cierra a las veintidós. → 「薬局は8時に開き、22時に閉まります。」
旅行中に電車や飛行機の時刻を確認するときは、24時間表記のスペイン語も読めると非常に役立ちます。
まとめ
スペイン語の時間の言い方は、最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本ルールを押さえれば意外とシンプルです。今回学んだポイントを整理しましょう。
- 時間を聞くときは ¿Qué hora es?(または ¿Tiene hora?)
- 1時は Es la una、2時以降は Son las + 数字
- 15分は y cuarto、30分は y media
- 〇分過ぎは y + 数字、〇分前は menos + 数字
- 正午は mediodía、真夜中は medianoche
- 時間帯は de la mañana / de la tarde / de la noche / de la madrugada
- 「〇時に〜します」は前置詞 a + 時刻
スペイン語の時間表現をマスターすることは、日常会話の土台を作る大切な一歩です。毎日の生活の中で「今何時かな?」と思ったとき、ぜひスペイン語で時刻を言ってみてください。「Son las ocho de la mañana. ¡Buenos días!(午前8時です。おはようございます!)」——こんな小さな習慣が、スペイン語力を確実に高めていきます。
この記事の表現をすべて暗記しようとする必要はありません。まず¿Qué hora es?とSon las + 数字だけ覚えて、実際に使ってみることから始めましょう。語学は使ってこそ身につくもの。¡Buena suerte!(頑張ってください!)


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